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全体版 特許庁産業財産権制度問題調査研究について | 経済産業省 特許庁

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(1)

平成29年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書

電子出願制度に関する

調査研究報告書

平成30年2月

(2)
(3)

要約

背景

特許庁では、

1990

年代から電子出願システムを導入し、時

代に応じて様々な改善を行ってきた。日本政府による行政手続

のオンライン化促進という流れの中で、電子出願制度の更なる

利用促進や利便性向上に向けた取組を講じることが望まれてお

り、今後のシステム整備の検討を行うにあたって、制度ユーザ

ーの意見や要望を広く収集する必要がある。

まとめ

・国内の電子申請システムや海外知財庁の電子出願システムでは、ユーザ

ーの属性や利用態様及び求められるセキュリティレベルに合わせた様々

な態様のシステムが提供されている。

・電子証明書の取扱い、書式チェック時のエラーメッセージ、電子で対応

可能な手続範囲の拡大等への更なる改善要望が比較的強い。

WEB

ブラウザ方式のシステム導入にはユーザーの立場によって様々な

意見があり、電子証明書による認証方法も含め総合的な検討が必要。

■アドバイザー会合

委員:5名(調査に関する助言)

■海外質問票調査

1.海外知財庁

WEBブラウザ方式と

専用ソフト方式のシステ ムを併用する知財庁及び

その他の知財庁:7者

2.海外申請人

WEBブラウザ方式と

専用ソフト方式を併用す

る国の申請人:2か国各

3者

目的

電子出願システムについてのユーザーニーズを調査し、電子出願制度の

利用促進や利便性向上の検討に関する基礎資料とする

■国内外公開情報調査

1.日本国特許庁の電子出願

システムに関する意見

2.日本国特許庁以外の政府

機関の電子申請システム に関するシステム環境等

(10システム)

3.海外知財庁の電子申請シ

ステムの環境等(22の国

又は地域(24知財庁))

■国内質問票調査

対象:

インターネット出願 ソフトのユーザーである 企業・特許事務所又は

個人1027者

回答は577者

■国内ヒアリング

調査

1.国内ユーザー:

上記質問票回答者から

10者

2.国内専門家:

電子申請に関する

(4)

- ii -

Ⅰ.本調査研究の概要

1.調査研究内容及び実施方法

(1)公開情報調査

書籍、論文、調査研究報告書及びインターネット情報等を利用して、本調査研究の内容 及び政府機関の電子申請システムに関する文献等(海外の文献等を含む)を収集、整理及 び分析し、結果を取りまとめた。調査は、以下に例示するような観点から行った。

(ⅰ)特許庁の電子出願システム

日本国特許庁の電子出願システムにおける国内の改善ニーズ・問題意識を調査する(特

に、①電子出願システムの環境における WEB ブラウザの採用、②電子出願システムにおい

て電子証明書を利用することに関する意見、など)。

(ⅱ)特許庁の電子出願システム以外の政府機関の電子申請システム

特許庁の電子出願システム以外の政府機関の電子申請システムについて、年間申請件数

が多い主な電子申請システム 10 システムにおいて、電子申請の環境(WEB ブラウザ利用、

専用ソフト利用など)、各種電子証明書の利用の有無、電子申請率、システムの仕組み・特

徴、利用方法、等の調査を行った。

(ⅲ)海外知財庁の電子出願システム

特許・実用新案・意匠・商標の電子出願システムにおいて、22の国又は地域における24

の知財庁に対し、電子出願システムの環境(WEBブラウザ利用、専用ソフト利用など)、出

願時の電子証明書の利用の有無、電子出願率等について調査を行った。

(2)国内質問票調査

電子出願システムを活用して電子出願を行っている国内企業・弁理士事務所等のユーザ

ー1027者に対し、下記の観点に基づいて電子出願システムに関する質問票調査を実施した。

(5)

・WEBブラウザをベースとした電子出願システムの導入ニーズ ・電子出願システムにおける電子証明書の利用に関する意見

(3)国内ヒアリング調査

(ⅰ)国内ユーザーヒアリング調査

本調査研究の内容に関する論点について、国内質問票調査の調査結果を元に、国内企業・

弁理士事務所等のユーザー10か所に対してヒアリングを行った。選定の際には、自社で電

子出願を行っている企業・弁理士事務所の中から選定し、年間出願件数が大規模な箇所か ら小規模な箇所まで、網羅的に選定した。

(ⅱ)国内専門家ヒアリング調査

国内の電子申請に関する専門家、4 名に対して、電子申請において WEB ブラウザをベー

スとした電子申請システムの導入態様、各種電子証明書の利用をせず電子申請を受け付け

る場合の課題(技術的課題、セキュリティ上の課題など)、について、ヒアリング調査を行

った。

(4)海外質問票調査

(ⅰ)海外知財庁質問票調査

専用ソフト方式のシステムと WEB ブラウザ方式のシステムの両方を採用している国又は

地域の知財庁に対し、その理由や背景についての情報を得るため、併用している国又は地 域の知財庁に対し、質問票を送付した。

加えて、WEB ブラウザ方式のシステムであって複数の異なるシステムを採用している国

又は地域の知財庁、近年 WEB ブラウザ方式のシステムを採用して運用を開始した国又は地

域の知財庁に対し、その理由や背景についての情報を得るため、質問票を送付した。

送付した国又は地域の知財庁は以下のとおりである。

(6)

- iv - (ⅱ)海外申請人質問票調査

専用ソフト方式のシステムと WEB ブラウザ方式のシステムの両方を採用している国又は

地域における電子出願システムの使い勝手や使用感についての意見を収集するため、当該 国又は地域の電子出願システムのユーザーに対し、質問票を送付した。

送付した国又は地域は以下のとおりである。各国についてそれぞれ 3 者について質問票

を送付した。

(7)

2.調査結果の概要

(1)公開情報調査結果

(ⅰ)特許庁の電子出願システム

これまでにパブリックコメント、文献等において表明されている意見・提言において、

ユーザーインターフェースの改善を求める意見のなかで、WEB ブラウザ方式のシステムの

採用が求める意見があった。また、電子証明書の利用に関する意見に関しては、現行の電 子証明書に代わる日本国特許庁専用の電子証明書の発行や、日本国特許庁独自の認証シス テムによる本人確認に関する意見があった。

(ⅱ)特許庁の電子出願システム以外の政府機関の国内電子申請システム

① 電子申請システムの環境

調査対象とした10の電子申請システムは、WEBブラウザ方式のシステムを備えるが、専

用ソフトの環境も併用しているシステムは、4 つのシステムであった。併用しているシス

テムにおいては、WEB ブラウザ方式のシステムを軽微な手続用に使用しているもの、専用

ソフトと WEB ブラウザとが同じ機能を有するもの、専用ソフトで一部の手続のみ対応し、

WEBブラウザ方式のシステムでほとんどの手続を行うものと様々な態様があった。

② 各種電子証明書の利用の有無

電子証明書を必要とするシステムが5、不要とするシステムが5であった。前者は、納税

や社会保険等、個人情報や秘匿すべき情報を取り扱うシステムであり、後者については、 輸出入の申告や漁獲高の報告など、比較的秘匿の必要性の低い情報について取り扱うシス

テムであった。後者の場合の認証方法は、ユーザーIDとパスワードを利用する方法が多数

を占めた。

③ 電子申請率

電子申請率に関しては、電子申請率が100%又は100%に近いシステムは3、80%以上で

あるものが2、50%~60%台であるものが3、それ以下であるものが2であった。権利の登

(8)

- vi - 率が高い傾向にあった。

④ システムの仕組み・特徴

利用者登録の有無、手数料等の支払方法及び利用環境の特徴について調査したところ、

利用登録を不要としているシステムは 1 のみで、これ以外はすべて利用登録を必要として

いた。また、手数料等の支払には、電子納付を採用しているシステムが多く、7つのシステ

ムで採用されている。その他、口座振替や現金納付も選択可能としているシステムもあっ

た。クレジットカードやデビットカードを利用するシステムは1のみであった。

⑤ 利用方法

マイナンバーや法人番号について調査したところ、マイナンバーで申請可能とするシス

テムは、納税等を扱うe-Taxや社会保険等の総合窓口である e-Govのみであった。法人番

号を使用できるシステムは6つあり、様々な目的で利用されている。

(ⅲ)海外知財庁の電子出願システム

① 電子出願システムの環境

電子出願システムの環境では、専用ソフト方式のシステムのみを採用しているのは日本

のみであった。専用ソフト方式のシステムと WEB ブラウザ方式のシステムとを併用してい

る知財庁は、EPO(欧州:特許)、SIPO(中国:専利 1

)、ドイツ、オーストラリア、台湾、

ロシア、韓国及び WIPO(PCT)の 8 つの知財庁であった。これら以外の知財庁ではすべて

WEBブラウザ方式のシステムのみを採用している。

併用の態様は、専用ソフト方式のシステムと WEB ブラウザ方式のシステムとで同様の機

能を利用可能としているもの、専用ソフトでほとんどの手続に対応しつつも WEB ブラウザ

方式のシステムについては一部の手続又は法域に限定して提供しているもの、専用ソフト

で出願や中間対応、審判請求などの主要な手続を行い、その他の手続を WEB ブラウザから

行うもの、WEBブラウザを一般、個人用として位置付け、主に単件処理に対応させ、その一

方で専用ソフトは業務用として位置付けて大量案件一括処理に対応する機能を提供してい るものなどがあった。

使い分けの傾向としては、WEB ブラウザ方式のシステムを個人一般向けとしてユーザー

1

(9)

フレンドリーなインターフェースによる手続を可能とし、専用ソフトは業務用として、大

量案件の処理等の弁理士らの使用態様に沿った機能を提供している。WEB ブラウザからで

も、CSV ファイルを読み込むことで一部の手続については大量案件の一括処理に対応する

知財庁もあった。

加えて、WEBブラウザ方式のシステムを採用又は併用する多くの知財庁では、WEBブラウ

ザを通して補助的なサービスを提供する。例えば、ログオン後のユーザーエリアにおいて、

手続履歴や支払履歴の確認、予納口座等の残高照会、知財庁からの通知の受信、期限や登 録した案件に関する権利変動の通知などのサービスを提供している。

WEB ブラウザ方式のシステムのみを採用している知財庁では、その多くが事前にシステ ムへの利用登録が必要であり、ログオン後のユーザーエリアで手続を行う態様であった。

② 出願時の電子証明書の要否について

専用ソフト方式のシステムの場合、すべての知財庁で電子証明書が必要であるが、WEBブ

ラウザ方式のシステムの場合は、電子証明書が不要な知財庁もあった。

まず、WEBブラウザ方式のシステムであって出願時に電子証明書が不要である知財庁は、

米国、EPO(Web-form filing)、タイ、フィリピン、ARIPO、イギリス、カナダ、ブラジル、 WIPO(ハーグ)の 9 の知財庁であった。米国を除くこれらの知財庁では、システムの利用

登録をユーザーに要求し、システムへのログオン時にユーザーIDとパスワードを要求する

ことで本人確認を行っている。

米国では、出願時にシステムへのログオンが不要であり、また電子証明書も必須ではな いが、その後の手続を行う場合などにシステムへの利用登録とともに電子証明書が必要と なる。出願時の本人確認は、出願人の入力情報とともに要求される電子サインにより行っ ている。

WEB ブラウザ方式のシステムを採用している知財庁で電子証明書が必要な場合、電子証 明書を使用するタイミングに幾つかの態様がみられた。具体的には、システムへのログオ

ン時に電子証明書が必要となる場合や、ログオン時はユーザーIDとパスワードでよいが手

続を行う際(送信時など)に電子証明書が必要となる場合があった。

(2)国内質問票調査結果

(ⅰ)電子出願システムに関する課題及び改善ニーズ

現在のインターネット電子出願ソフトの使い勝手に関し、「満足している、変更の必要は

(10)

- viii -

答した者が37.2%であった。全体の66.9%の者が現在の使い勝手について満足していると

の回答であった。

一方で、使い勝手に不満又は何らかの変更若しくは追加したい機能があると回答した者

は、上記の「満足しているが、変更/追加したい機能がある」の37.2%に加え、「やや不満

だが大きな変更はして欲しくない」が22.7%、「不満であり、積極的に変更して欲しい」が

6.0%であった。合計で 65.9%の者が現在のインターネット電子出願ソフトに対し、何ら かの形で改善して欲しいというニーズがあることが分かった。

「満足している、変更の必要はない」と回答した者以外の者に対し、具体的な改善要望 項 目 に つ い て 複 数 回 答 可 能 と し て 質 問 し た と こ ろ 、 電 子 証 明 書 の 取 扱 い に 関 す る 要 望が 48.9%、書式チェック時のエラーメッセージに関する要望が53.3%、紙の書面のみでしか

できない手続があるとしたのが53.0%であった。電子証明書、エラーメッセージ、対応可

能な手続の拡大といった項目に改善要望が集中した。

(ⅱ)WEBブラウザをベースとした電子出願システムの導入ニーズ

WEB ブラウザ方式のシステムの導入に関しては、すべて又は一部の機能で導入を希望す

ると回答した者は21.9%であった。一方で、「あまり導入して欲しくない」が18.4%、「絶

対に導入して欲しくない」が 4.7%であり、否定的な回答をした者は、23.1%であった。

WEBブラウザ方式のシステムの導入については、肯定的意見と否定的意見とを比較すると、

若干否定的意見が高いものの、肯定的意見と否定的意見とがほぼ拮抗している。なお、「ど

ちらでもよい」とした者は最も多く、36.2%であった。

この結果をユーザーの企業又は事務所の観点からみると、「すべての機能で導入して欲し

い」と回答した者は、事務所全体で11.5%、企業全体で18.8%であり、事務所よりも企業

の方が WEB ブラウザ方式のシステムの導入ニーズが高い傾向を示した。これは、企業と事

務所の規模別(大規模、中規模及び小規模)でみても同様の傾向を示している。逆に、「あ

まり導入して欲しくない」と回答した者は、事務所全体で25.2%、企業全体で11.2%であ

った。事務所では WEB ブラウザ方式のシステムの導入には比較的積極的ではないという傾

向をみせた。

法域別の一部導入という観点でみると、「すべて又は一部の機能で導入して欲しい」と回

答した者は、全体で、特許が21.9%、意匠が20.8%、商標が26.0%であり、商標が若干高

(11)

(ⅲ)電子出願システムにおける電子証明書の利用に関する意見

電子出願システムにおける電子証明書の必要性については、「必要だと思う」という回答

が52.3%であり、「できれば使いたくない」の17.5%、「不要だと思う」の5.7%と比較し ても、多くの者が電子証明書は必要であるとの認識であることが分かった。

「よく分からない」と回答した者は全体で9.5%であったが、規模別で見ると、小規模の

企業で29.2%、小規模の事務所で13.5%の者が「よく分からない」を選択していた。

電子証明書が必要又は不要である理由については、「手続をする者を特定し、なりすまし

を防ぐ」とした回答が59.2%を占めた。ただし、電子証明書の扱いに関する「電子証明書

の管理が面倒」、「電子証明書の取得や更新に費用がかかる」、「電子証明書の取得方法が分

かりにくい」の回答がそれぞれ22.9%、20.4%、10.4%であり、電子証明書の目的は理解

するが電子証明書の扱いに一定程度の困難を感じているユーザーが存在するという傾向を 示した。

また、各種手続における電子証明書の必要性に関する質問に関して、「出願審査請求」が

40.7%、「特許料/登録料の納付」が 64.4%、「ファイル記録の閲覧申請」で 57.6%の者が 電子証明書は必要ではないと思われると回答した。

(3)国内ヒアリング調査結果

(ⅰ)国内ユーザーヒアリング調査

① 現行システムの課題

現在のインターネット電子出願ソフトの機能面や操作性の点に関する改善要望としては、 書式チェック後のエラーメッセージ、一括処理対応、データのとり込みや合成時の要望が あった。また、システム全体に関する改善要望としては、紙の書面のみによる手続の電子 化、電子証明書の取扱い等への要望があった。

② 電子出願システムに求めること

回答では、効率性、安定性及び信頼性を挙げるユーザーが多かった。特に効率性につい ては、時間的制約がなくなり、いつでも手続が可能という時間的側面、手続後の処理の側

(12)

- x -

現在又は今後の電子出願システムに関しても、効率性を求める声が比較的多く、安全性、

外部システムとの連携のしやすさなどを求める声もあった。

WEB ブラウザ方式のシステムの導入に関しては、否定的意見と肯定的意見の両方があっ た。もし導入されるのであれば、現在のインターネット電子出願ソフトとの継続性を維持 し、操作面等について大きな変化を望まないという意見も複数挙げられた。商標のみにお ける導入、一部機能についてのみ導入、現在のインターネット出願ソフトの操作環境や機

能のすべてを実現した形での WEB ブラウザ方式の導入、など、条件付きの肯定意見もみら

れた。

③ 電子証明書の取扱い

電子証明書の取扱いに関しては、その必要性は認めるものの、電子証明書の取得又は期 限切れによる再取得の手続に負担を感じるという声が多く得られた。その他、電子証明書 を使用しないで行える手続があるのではないか、電子証明書に代わるより使い勝手のよい 代替手段があるのではないか、という意見があった。

(ⅱ)国内専門家ヒアリング調査

① 電子申請においてWEBブラウザをベースとした電子申請システムの導入態様

政府が促進する手続の電子化の流れは今後も続くため、電子出願システムに関しても同 様にその方向性は維持すべきである。手続に関しては、電子化されていない手続の電子化 が必要となるだろうとの意見を得た。

WEB ブラウザ方式のシステムへの移行を考える場合、考慮すべき点は多く、セキュリテ ィの観点やシステム的観点からの検討が必要となる。システム的観点からは、全面移行と 一部移行とで異なる検討が必要であり、全面移行の場合は、データの保存場所、ハードの 負担、印刷や大量案件の一括処理などの機能面での補充等を考慮する必要がある。また一 部移行では、ユーザーがシステムの移行により効率面などのメリットを享受できる法域又

は手続を検討する必要がある。その他、WEBブラウザ方式のシステムを導入できれば、スマ

(13)

② 各種電子証明書の利用をせずに電子申請を受け付ける場合の課題等

単純に電子証明書を利用するか否かといった検討ではなく、電子出願システムに必要な セキュリティレベルはどのようなものかを設定し、そのセキュリティレベルを達成する為 に必要な手段として電子証明書が適しているかを考えるべきではないかという意見が挙げ

られた。加えて、電子証明書で何を保証するのかも考慮すべきであるという意見もあった。

すなわち、本人性と原本性のどちら又は両方を保証するのか、それにふさわしい手段は何 かを検討する必要があるのではないかという意見であった。また、電子証明書は、企業の 社印や個人の実印相当であるという扱いであることから、日本の行政手続における押印の 取扱いについても言及があった。

電子証明書以外を利用した認証方法を採用する申請様式としてはドイツの認証付き電子 書留での申請などの例が挙げられた。ただし、電子証明書以外の認証方法を採用すること は、これまでの電子出願システムの経緯を考えると、逆行するのではないかという意見が あった。

(4)海外調査票調査結果

(ⅰ)海外知財庁質問票調査結果

① 両方のシステムを採用している理由及びその利点

併用している理由としては、多様なユーザーの需要に対応するため、歴史的な事情によ

るものといった回答を得た。利点としては、WEB ブラウザ方式では常に最新版の状態を維

持することができる。専用ソフト方式では、オフライン環境でも作業が可能であるといっ た点が挙げられた。一方で併用によるデメリットとしては、両システムの運用コストやユ ーザー側のアップデート対応等が一律ではないといった点が挙げられた。

② 今後の電子出願システムの環境整備に関する方向性

過去に併用していた知財庁も含め、多くの知財庁で WEB ブラウザ方式のシステムに移行

(14)

- xii - (ⅱ)海外申請人質問票調査結果

① 専用ソフト方式のシステムとWEBブラウザ方式のシステムの使用感

WEBブラウザ方式では、専用ソフトに比べて入力などに時間がかかること、また、WEBブ ラウザ方式のシステムであってもその習熟等に時間やコストがかかると。このため、使用 者としては併用によるメリットは特になく、専用ソフト方式のシステムの方が効率性とい った点や様々なニーズに対応できるという点で専用ソフト方式のシステムを主に使用して いるとの回答が多くを占めた。

② WEBブラウザ方式のシステムの利点や欠点

WEB ブラウザ方式のシステムはアップデート等の管理や場所による制限から解放され、 出願人によっては使いやすいと考えるという回答を得た。ただし、多くの案件を処理する のには向かず、対象者の多くが専用ソフトを使用しているとの回答であった。

(5)総括

本調査から、現在の日本における電子出願システムは、一定以上の評価を得ている一方 で、操作や機能面において更なる改善要望があり、今後の利用促進や利便性向上について 検討の余地があることが分かった。ユーザーの意見としても、企業や事務所の規模や個人 といった立場の違いにより、多様な意見や要望が存在する。そのような中で、より多くの ユーザーの利便性を向上すべく、検討を重ねていくことが必要となるであろう。

加えて、WEB ブラウザ方式のシステムに関しても、専用ソフト方式のシステムに向いて

いる機能を生かしつつ、様々な態様で併用している国内電子申請システムや海外知財庁が あることが分かった。セキュリティを始めとして今後の技術開発により実現可能となる機 能も含め、どのような態様で運用することがユーザーの利用促進や利便性向上に役立つの

かについて、専用ソフト方式か WEB ブラウザ方式か、又は電子証明書を使用するか否かと

(15)
(16)
(17)

はじめに

特許庁では、1990年に専用端末を用いたオンライン出願と、書類データを格納したフレ

キシブルディスク(FD)を特許庁に提出するFD出願の二種類の電子出願システムを導入し、

当該電子出願システムの導入に伴い、「工業所有権に関する手続等の特例に関する法律」(特

例法)を制定して法整備も実施した。

そして、電子出願システムの導入後も、1998 年に ISDN 回線を利用したパソコン電子出

願の導入、2005年にインターネット出願の導入など、ユーザーの利便性の向上に向けた取

組を行っており、出願に占める電子出願の割合は年々向上し、現在では94%(特許・実用

新案・意匠・商標)ととても高い割合となっている。

また、日本国政府は、オンライン手続の推進に向けて「行政手続等における情報通信の

技術の利用に関する法律(平成14年法律第 151号)」を制定し、さらなる行政手続のオン

ライン利用の普及拡大のため、2008年度~2010年度の間は「オンライン利用拡大行動計画」

(2008 年 IT 戦略本部決定)、2011 年度~2013 年度の間は「新たなオンライン利用に関す

る計画」(2011年IT戦略本部決定)、2014年度以降は、「オンライン手続の利便性向上に向

けた改善方針」(2014年各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)を策定することに

より、行政手続のオンライン化推進に向けた取組を進めている。

ここで、特許庁では、上述のように、これまでに様々な取組を行ってきたが、政府の方 針に従い、さらなる電子出願制度の利用促進や利便性向上に向けた取組を講じることが求

められており、当該利用促進や利便性向上に向けた取組においては、制度ユーザーの意見・

要望を把握することは欠かせない。

しかしながら、現状、電子出願制度の利用促進や利用支援のために、パソコン出願ソフ トユーザー連絡会の開催、電子出願ソフトサポートサイトの設置等を行うことにより、個 別の国民・企業等制度ユーザーとの接点は存在するものの、大規模な意見・要望をまとま った形で収集する機会を十分に有しておらず、制度ユーザーの意見・要望を広く取り入れ た電子出願制度の改善検討は難しい。

一方、特許庁では、平成 25 年に改定した「特許庁業務・システム最適化計画」(以下、

「最適化計画」という。)を実施しており、当該最適化計画の第Ⅱ期(平成 30 年度~平成

34年度)においては、出願人等の手続について、ユーザー利便性を向上させるためのシス

テム整備の検討を進める予定である。

(18)

本報告書の作成にあたり、国内外での調査にご協力いただいた企業、法律・特許事務所 の方々にこの場を借りて深く感謝する次第である。

平成30年2月

(19)
(20)
(21)

要約 はじめに

Ⅰ.序 ... 1

1.調査研究の目的 ... 1

2.調査研究内容及び実施方法 ... 2

(1)公開情報調査 ... 2

(2)国内質問票調査 ... 3

(3)国内ヒアリング調査 ... 3

(ⅰ)国内ユーザーヒアリング調査 ... 3

(ⅱ)国内専門家ヒアリング調査 ... 3

(4)海外質問票調査 ... 4

(ⅰ)海外知財庁質問票調査 ... 4

(ⅱ)海外申請人質問票調査 ... 4

Ⅱ.公開情報調査 ... 5

日本国特許庁の電子出願システム ... 5

(1) 調査対象文献 ... 5

(2) パブリックコメントに寄せられた意見 ... 5

(3) ユーザー団体の意見の整理 ... 8

(ⅰ)日本弁理士会 ... 8

(ⅱ)一般社団法人日本知的財産協会 ... 9

(ⅲ)一般社団法人発明推進協会 ... 10

(4) 抽出したパブリックコメント及び団体意見の分析 ... 11

(ⅰ)権限管理に関する意見 ... 11

(ⅱ)電子証明書に関する意見 ... 11

(ⅲ)システム連携(API提供)に関する意見 ... 12

(ⅳ)情報・データ提供に関する意見 ... 12

(ⅴ)ユーザーインターフェースに関する意見 ... 14

(ⅵ)納付方法に関する意見 ... 16

(ⅶ)オンライン対象範囲拡大に関する意見 ... 16

(ⅷ)書類フォーマットに関する意見 ... 17

(ⅸ)エラーチェックに関する意見 ... 17

(22)

(5) WEBブラウザの採用、電子証明書利用に関する意見 ... 18

(ⅰ)電子出願システムの環境におけるWEBブラウザの採用に関する意見の詳細 18

(ⅱ)電子出願システムにおいて電子証明書を利用することに関する意見の詳細 18 日本国特許庁以外の国内電子申請システム ... 21 (1) 調査対象手続選定の考え方 ... 21 (2) 調査対象手続 ... 22 (ⅰ)調査対象としたシステム ... 22 (ⅱ)対象項目 ... 23 (ⅲ)調査方法・文献等 ... 23 (3) 特許庁の電子出願システム ... 24 (ⅰ)システムの概要 ... 24 (ⅱ)電子申請の環境 ... 25 (ⅲ)各種電子証明書の利用有無 ... 26 (ⅳ)システムの仕組み・特徴 ... 27 (ⅴ)利用方法 ... 34 (ⅵ)手続促進の取組 ... 39 (4) 各システムの調査結果 ... 40 (ⅰ)総括表 ... 40 (ⅱ)登記・供託オンライン申請システム ... 57 (ⅲ)登記情報提供システム ... 90 (ⅳ)海上・航空通関情報処理システム(NACCS) ... 103 (ⅴ)国税電子申告・納税システム(e-Tax) ... 120

(ⅵ)電子政府の総合窓口(e-Gov)(社会保険・労働保険関係手続、概算・増加概

算・確定保険料申告書の提出等手続の窓口) ... 137 (ⅶ)自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS) ... 153 ( ⅷ ) 総 務 省 電 波 利 用 電 子 申 請 ・ 届 出 シ ス テ ム ( 無 線 局 免 許 申 請 等 手 続 の 窓 口 ) ... 167

(ⅸ)漁獲管理情報処理システム(海洋生物資源の採捕数量等の報告等手続の窓口)

(23)
(24)

(ⅵ)電子出願システムに関する情報提示について ... 282 (ⅶ)電子出願システムに関する議論・方針 ... 283 (6)韓国 ... 285 (ⅰ)概要 ... 285 (ⅱ)電子出願システムの環境及び構成 ... 285 (ⅲ)電子証明書について ... 289 (ⅳ)手数料等の納付について ... 289 (ⅴ)電子出願率 ... 290 (ⅵ)電子出願システムに関する情報提示について ... 290 (7)インドネシア ... 292 (ⅰ)概要 ... 292 (ⅱ)電子出願システムの環境及び構成 ... 292 (ⅲ)電子証明書について ... 293 (ⅳ)手数料等の納付について ... 293 (ⅴ)電子出願率 ... 293 (ⅵ)電子出願システムに関する情報提示について ... 294 (8)シンガポール ... 295 (ⅰ)概要 ... 295 (ⅱ)電子出願システムの環境及び構成 ... 295 (ⅲ)電子証明書について ... 297 (ⅳ)手数料等の納付について ... 298 (ⅴ)電子出願率 ... 298 (ⅵ)電子出願システムに関する情報提示について ... 298 (9)タイ ... 300 (ⅰ)概要 ... 300 (ⅱ)電子出願システムの環境及び構成 ... 300 (ⅲ)電子証明書について ... 302 (ⅳ)手数料等の納付について ... 303 (ⅴ)電子出願率 ... 303 (ⅵ)電子出願システムに関する情報提示について ... 303 (10)フィリピン ... 307 (ⅰ)概要 ... 307 (ⅱ)電子出願システムの環境及び構成

(25)
(26)
(27)
(28)

(ⅴ)一覧表:システム構成(IP5及びASEAN一部) ... 419 (ⅵ)一覧表:システム構成(ASEAN一部、その他の国・地域) ... 421 Ⅲ.国内質問票調査 ... 425 1.国内質問票調査の方法 ... 425 (1)調査対象の選定 ... 425 (ⅰ)概要 ... 425 (ⅱ)調査方法 ... 426 (ⅲ)調査対象 ... 426 (2)調査内容 ... 429 (ⅰ)調査項目 ... 429 (ⅱ)具体的な質問事項 ... 429 (ⅲ)調査項目と各質問事項との関係 ... 432 2.国内質問票調査結果の整理・分析 ... 434 (1)回答受領結果及び回答者基本情報 ... 434 (ⅰ)回答受領結果 ... 434 (ⅱ)回答者基本情報 ... 437 (2)調査項目別の回答結果 ... 450 (ⅰ)電子出願システムに関する課題及び改善ニーズ ... 450

(ⅱ)WEBブラウザをベースとした電子出願システムの導入ニーズ ... 493

(29)
(30)

(ⅲ)電子申請率 ... 611 (ⅳ)システムの仕組み・特徴 ... 612 (ⅴ)利用方法 ... 612 (3)海外知財庁の電子出願システム ... 612 (ⅰ)電子出願システムの環境 ... 612 (ⅱ)出願時の電子証明書の要否について ... 613 2.国内質問票調査結果 ... 614 (1)電子出願システムに関する課題及び改善ニーズ ... 614 (2)WEBブラウザをベースとした電子出願システムの導入ニーズ ... 614 (3)電子出願システムにおける電子証明書の利用に関する意見 ... 615 3.国内ヒアリング調査結果 ... 616 (1)国内ユーザーヒアリング調査 ... 616 (ⅰ)現行システムの課題 ... 616 (ⅱ)電子出願システムに求めること ... 616 (ⅲ)電子証明書の取扱い ... 616 (2)国内専門家ヒアリング調査 ... 617

(ⅰ)電子申請において WEB ブラウザをベースとした電子申請システムの導入態様

... 617 (ⅱ)各種電子証明書の利用をせずに電子申請を受け付ける場合の課題等 .... 617 4.海外調査票調査結果 ... 618 (1)海外知財庁質問票調査結果 ... 618 (ⅰ)両方のシステムを採用している理由及びその利点 ... 618 (ⅱ)今後の電子出願システムの環境整備に関する方向性 ... 618 (2)海外申請人質問票調査結果 ... 618

(ⅰ)専用ソフト方式のシステムと WEB ブラウザ方式のシステムの使用感について

(31)

調査にあたっては当該分野に精通した弁護士、弁理士、産業界有識者及び学識経験者に よるアドバイザー会合を編成した。アドバイザー会合では、本調査研究を実施するにあた り、専門家としての知見に基づく各種意見を得た。アドバイザー会合委員の弁理士、産業 界有識者、オブザーバーの方々及び事務局は以下のとおりである。

「電子出願制度に関する調査研究」アドバイザー会合委員名簿

委 員(五十音順・敬称略)

伊藤 國久 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会 総務部長

斎藤 美晴 日本弁理士会 特許制度運用協議委員会 副委員長

(斎藤特許事務所 所長 弁理士)

園 充 株式会社NTTデータアイ 第一事業部推進部長

中馬 真子 一般社団法人 日本知的財産協会 情報システム委員会 副委員長

(パナソニック株式会社)

松本 良平 株式会社NTTデータ 第一公共事業本部 営業担当部長

オブザーバー

沖田 孝裕 特許庁 総務部総務課情報技術統括室

室長補佐(情報技術調査班長)

石井 徹 特許庁 総務部総務課情報技術統括室 室長補佐

事務局

川上 溢喜 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会国際法制研究所

所長

南 政江 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会国際法制研究所

主任研究員(主担当(第Ⅲ部を除く))

増田 一郎 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会国際法制研究所

(32)

<ご協力いただいた企業、事務所等>

調査にあたって次の関係機関・関係者(敬称略)に多大なるご協力・ご助言をいただい た。ここに改めて感謝の意を表する。

米国特許商標庁(USPTO) 欧州特許庁(EPO)

欧州連合知的財産庁(EUIPO) ドイツ特許商標庁(DPMA) ブラジル知的財産庁(INPI) ロシア特許庁(ROSPATENT) フィリピン知的財産庁(IPOPHL)

Vossius & Partner

Winter, Brandl, Fürniss, Hübner, Röss, Kaiser, Polte - Partnerschaft BOEHMERT & BOEHMERT

北京銀龍知識産権代理有限公司

北京林達劉知識産権代理事務所 (Linda Liu & Partners) 中科専利商標代理有限責任公司

青和特許法律事務所 創英国際特許法律事務所

特許業務法人 津国

樺澤特許事務所

株式会社NTTデータ カゴメ株式会社

ダイキン工業株式会社 日本電産株式会社 ビルマテル株式会社 三菱電機株式会社 株式会社ロボテック

国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 大山永昭

専修大学法科大学院 教授 米丸 恒治

経済産業省CIO補佐官 平本 健二

(33)
(34)
(35)

Ⅰ.序

1.調査研究の目的

特許庁では、1990年に専用端末を用いたオンライン出願と、書類データを格納したフレ

キシブルディスク(FD)を特許庁に提出するFD出願の二種類の電子出願システムを導入し、

当該電子出願システムの導入に伴い、「工業所有権に関する手続等の特例に関する法律」(特

例法)を制定して法整備も実施した。

そして、電子出願システムの導入後も、1998 年に ISDN 回線を利用したパソコン電子出

願の導入、2005年にインターネット出願の導入など、ユーザーの利便性の向上に向けた取

組を行っており、出願に占める電子出願の割合は年々向上し、現在では94%(特許・実用

新案・意匠・商標)ととても高い割合となっている。

また、日本国政府は、オンライン手続の推進に向けて「行政手続等における情報通信の

技術の利用に関する法律(平成14年法律第 151号)」を制定し、さらなる行政手続のオン

ライン利用の普及拡大のため、2008年度~2010年度の間は「オンライン利用拡大行動計画」

(2008 年 IT 戦略本部決定)、2011 年度~2013 年度の間は「新たなオンライン利用に関す

る計画」(2011年IT戦略本部決定)、2014年度以降は、「オンライン手続の利便性向上に向

けた改善方針」(2014年各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)を策定することに

より、行政手続のオンライン化推進に向けた取組を進めている。

ここで、特許庁では、上述のように、これまでに様々な取組を行ってきたが、政府の方 針に従い、さらなる電子出願制度の利用促進や利便性向上に向けた取組を講じることが求

められており、当該利用促進や利便性向上に向けた取組においては、制度ユーザーの意見・

要望を把握することは欠かせない。

しかしながら、現状、電子出願制度の利用促進や利用支援のために、パソコン出願ソフ トユーザー連絡会の開催、電子出願ソフトサポートサイトの設置等を行うことにより、個 別の国民・企業等制度ユーザーとの接点は存在するものの、大規模な意見・要望をまとま った形で収集する機会を十分に有しておらず、制度ユーザーの意見・要望を広く取り入れ た電子出願制度の改善検討は難しい。

一方、特許庁では、平成 25 年に改定した「特許庁業務・システム最適化計画」(以下、

「最適化計画」という。)を実施しており、当該最適化計画の第Ⅱ期(平成 30 年度~平成

34年度)においては、出願人等の手続について、ユーザー利便性を向上させるためのシス

テム整備の検討を進める予定である。

(36)

- 2 -

2.調査研究内容及び実施方法

(1)公開情報調査

書籍、論文、調査研究報告書及びインターネット情報等を利用して、本調査研究の内容 及び政府機関の電子申請システムに関する文献等(海外の文献等を含む)を収集、整理及 び分析し、結果を取りまとめた。

調査は、以下の観点から行った。

<特許庁の電子出願システム>

・日本国特許庁の電子出願システムにおける国内の改善ニーズ・問題意識を調査した(特

に、①電子出願システムの環境における WEB ブラウザの採用、②電子出願システムにおい

て電子証明書を利用することに関する意見、など)。

<特許庁の電子出願システム以外の政府機関の電子申請システム>

・特許庁の電子出願システム以外の政府機関の電子申請システムについて、年間申請件数

が多い主な電子申請システム 10 システムにおいて、電子申請の環境(WEB ブラウザ利用、

専用ソフト利用など)、各種電子証明書の利用の有無、電子申請率、システムの仕組み・特

徴、利用方法、等の調査を行った。

<海外知財庁の電子出願システム>

・特許・実用新案・意匠・商標の電子出願システムにおいて、以下に示す調査対象国の知 財庁に対して、調査を行った。

■調査対象国 ○IP5

米国、ヨーロッパ(EPO、EUIPO)、中国(SIPO、SAIC)、韓国 ○ASEAN

インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア ○その他

アフリカ(ARIPO)、イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、台湾、ドイツ、ブラ

(37)

■主な調査項目

・電子出願システムの環境(WEBブラウザ利用、専用ソフト利用など)

・出願時の電子証明書の利用の有無 ・電子出願率

<その他>

電子申請システムの環境として、WEB ブラウザを利用する場合の導入態様、各種電子証

明書の利用をせず電子申請を受け付ける場合の課題(技術的課題、セキュリティ上の課題 など)について、網羅的に調査した。

(2)国内質問票調査

電子出願システムを活用して電子出願を行っている国内企業・弁理士事務所等のユーザ

ー1000か所程度を対象にして、電子出願システムに関する質問票調査を実施した。

■主な調査項目

・電子出願システムに関する課題及び改善ニーズ

・WEBブラウザをベースとした電子出願システムの導入ニーズ

・電子出願システムにおける電子証明書の利用に関する意見

(3)国内ヒアリング調査

(ⅰ)国内ユーザーヒアリング調査

本調査研究の内容に関する論点について、国内質問票調査の調査結果を元に、国内企業・

弁理士事務所等のユーザー10か所に対してヒアリングを行った。選定の際には、自社で電

子出願を行っている企業・弁理士事務所の中から選定し、年間出願件数が大規模な箇所か ら小規模な箇所まで、網羅的に選定した。

(ⅱ)国内専門家ヒアリング調査

国内の電子申請に関する専門家、4 名に対して、電子申請において WEB ブラウザをベー

スとした電子申請システムの導入態様、各種電子証明書の利用をせず電子申請を受け付け

る場合の課題(技術的課題、セキュリティ上の課題など)、について、ヒアリング調査を行

(38)

- 4 - (4)海外質問票調査

(ⅰ)海外知財庁質問票調査

特許・実用新案・意匠・商標の電子出願システムとして、WEBブラウザ及び専用ソフトの

両者を採用している調査対象国7カ国の知財庁に対して、質問票調査を実施した。

■調査対象国

・中国、ドイツ、ブラジル、ロシア、米国、フィリピン、欧州(EPO、EUIPO)

■主な調査項目

・電子出願システムの環境として WEB ブラウザ及び専用ソフトの両方を採用している理

由及びその利点。

・今後の電子出願システムの環境整備に関する方向性(WEB ブラウザに一本化する等)。

(ⅱ)海外申請人質問票調査

特許・実用新案・意匠・商標の電子出願システムとして、WEBブラウザ及び専用ソフトの

両者を採用している調査対象国 2 ヶ国において、電子出願システムを活用して海外の自国

に電子出願・電子申請を行っている海外企業・弁理士事務所等の申請人各国 3 箇所を対象

にして、質問票調査を実施した。

■対象国

・中国、ドイツ

■主な調査項目

・電子出願システムの環境としてWEBブラウザと専用ソフトのそれぞれの使用感

・電子出願システムの環境として WEB ブラウザを利用することの専用ソフトを利用する

(39)

Ⅱ.公開情報調査

日本国特許庁の電子出願システム

日本国特許庁の電子出願システムにおける国内の改善ニーズ・問題意識を調査するため、

パブリックコメント、文献等において表明されている意見・提言を収集した。

(1)調査対象文献

特許庁が把握する課題等とユーザー意見の整合性を確認するとともに、多く表明されて いるユーザー属性毎の意見動向などを分析・把握するため、これまでに実施されたパブリ ックコメントの結果、及び特許庁への意見・提言等が掲載されているユーザー団体の機関 誌を対象文献として調査した。

(2)パブリックコメントに寄せられた意見

一般から寄せられた利用者の意見動向についても分析・把握するため、「電子政府の総

合窓口(e-Gov)」2において公開されているパブリックコメントを集計した。

検索対象として、現行のシステム等に対する意見の動向を把握する観点から、直近10年

間 3

に実施されたものを対象とし、それぞれのパブリックコメントより、システムに対する

改善ニーズ・問題意識に関する意見を抽出した(表1)。

表1 特許庁システム等に関して実施されたパブリックコメント(過去10年)

記号 パブリックコメント結果のタイトル 公開時期

シ ス テ ム に 対 す る 改 善

ニーズ・問題意識に関す

るコメント件数

a

特許庁 業務・システム最適化計画(改訂版)に基

づく新事務処理システムの設計・開発に対する意 見募集結果について

平成19年11月5日 12件

b

「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関 係省令の整備等に関する省令案」に対する意見募 集の結果について

平成20年9月30日 2件

c

「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律 施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見 募集の結果について

平成22年1月6日 1件

2

パブリックコメント案件検索 「電子政府の総合窓口(e-Gov)」HP (http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public)

[最終アクセス日:2017年11月24日]

3

(40)

- 6 -

記号 パブリックコメント結果のタイトル 公開時期

シ ス テ ム に 対 す る 改 善

ニーズ・問題意識に関す

るコメント件数

d

「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律 施行規則及び特許法施行規則の一部を改正する省 令案」に対する意見募集の結果について

平成22年6月22日 1件

e

「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律 施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見 募集の結果について

平成22年11月5日 1件

f

「特許庁業務・システム最適化計画(改定案)」に

関する意見募集(パブリックコメント)の結果に ついて

平成25年3月15日 22件

g

産 業 構 造 審 議 会 知 的 財 産分 科 会 「 と り ま と め 」 (案)に寄せられた御意見の概要と御意見に対す る考え方

平成26年2月24日 3件

h 「特許法施行規則の一部を改正する省令案」に対

する意見募集

平成29年7月6日 1件

計 43件

以下に各パブリックコメントに寄せられたシステムに対する改善ニーズ・問題意識に関 する意見概要を整理し、どのような事項に対する意見かを判別しやすいよう意見の類型分 けを行った。

類型の結果、「ユーザーインターフェース」及び「情報・データ提供」に関するコメン

トが全体の1/3以上の割合を占めており、公表時期の経過に左右されず、恒常的なニーズ・

問題意識がみられた。なお、パブリックコメントには意見提出元が公開されていないため、

ユーザー毎の類型は不可能であった。

表 2~表 9 に、各パブリックコメントに寄せられたシステムに対する改善ニーズ・問題

意識に関する意見概要及びその類型を整理する。

表2 「特許庁 業務・システム最適化計画(改訂版)に基づく新事務処理システムの設計・開発に

対する意見募集結果について(平成19年11月5日公表)」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 権限管理の多様化(申請可能権限、作成等のみ権限) 権限管理

2 大容量公報データの一括ダウンロード可能化 情報・データ提供

3 インタラクティブ申請実現時におけるAPIの提供 システム連携(API提供)

4 特許庁からの提供機能に関するAPIインターフェース仕様書及

び提供スケジュールの早期提示

システム連携(API提供)

5 特許庁からの提供機能に関するAPIの提供 システム連携(API提供)

6 申請者の社内システム等、外部から活用できるような機能の実

システム連携(API提供)

7 申請者の社内システム等、外部から活用できるような認証機能

の実装

システム連携(API提供)

8 作成支援機能の充実 ユーザーインターフェース

9 複数の申請書を一括で処理可能なインターフェースの実現 ユーザーインターフェース

10 イ ン タ ラ ク ティ ブ 申 請 実現 時 に お ける オ ン ラ イン / オ フ ラ イ

ン書類作成機能の併存

(41)

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

11 特許庁保有の最新データを利用したエラーチェックの実現 エラーチェック

12 インタラクティブ申請実現によるチェック機能の向上 エラーチェック

表3 「「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令案」に対する

意見募集の結果について(平成20年9月30日公表)」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 納付時における口座振替結果の確認簡易化 情報・データ提供

2 特許出願等に関する情報提供時の開示範囲制御 情報・データ提供

表4 「「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に対す

る意見募集の結果について」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 電子メールによる出願人への通知 情報・データ提供

表5 「「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則及び特許法施行規則の一部を改正

する省令案」に対する意見募集の結果について」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 電子メールによる出願人への通知 情報・データ提供

表6 「「特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に対す

る意見募集の結果について」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 アクセスコード提供方法の多様化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

表7 「「特許庁業務・システム最適化計画(改定案)」に関する意見募集(パブリックコメント)

の結果について」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 権限管理の多様化(申請可能権限、参照のみ権限) 権限管理

2 特許庁専用電子証明書の導入 電子証明書

3 特許庁からの提供機能に関する APIインターフェース仕様書

及び提供スケジュールの早期提示

システム連携(API提供)

4 発送書類の電子ファイル提供 情報・データ提供

5 特許庁が保持するデータのリアルタイム提供 情報・データ提供

6 翻訳辞書データ、翻訳後文献の提供 情報・データ提供

7 出願書類の表示・印刷用PDF提供 情報・データ提供

8 移転登録申請後のリアルタイム閲覧対応 情報・データ提供

9 複数件一括処理化対応(審査請求や年金納付など) ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

10 インタラクティブ申請実現の早期化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

11 webブラウザベースによる出願手続の実施 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

12 出願時に使用するソフトの一本化(国内/国際、日本語/英

語)

ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー ス

13 オンライン発送書類取得方法の柔軟性向上 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

(42)

- 8 -

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

15 国際出願手数料の納付方法多様化 納付方法

16 登録証等のオンライン通知化 オンライン対象範囲拡大

17 登録後の表示変更申請、移転登録申請のオンライン化 オンライン対象範囲拡大

18 発送書類の電子化範囲拡大(登録番号通知等) オンライン対象範囲拡大

19 出願システム・受付システムにおける文字コードの汎用化対

書類フォーマット

20 書類の形式の一本化(SGML廃止) 書類フォーマット

21 中間コードの拡充 書類フォーマット

22 国際連携におけるデータ交換のメディアレス化 デ ー タ 交 換 の メ デ ィ ア レ

ス化

表8 「産業構造審議会 知的財産分科会「とりまとめ」(案)に寄せられた御意見の概要と御意見に

対する考え方」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 APIの提供 システム連携(API提供)

2 経過情報のリアルタイム提供 情報・データ提供

3 提供データの項目拡充、XMLダウンロードの促進 情報・データ提供

表9「「特許法施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見募集」の概要

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 アクセスコード提供方法の多様化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

(3)ユーザー団体の意見の整理

ユーザー団体によるシステムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見の把握・分析 のため、各ユーザー団体の公式ホームページ及び機関誌に掲載された意見・提言から、シ ステムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見を抽出した。以下に、各団体における 意見概要及びその類型を整理する。

(ⅰ)日本弁理士会

公式ホームページ及び機関誌に掲載された意見・提言から、システムに対する改善ニー ズ・問題意識に関する意見を抽出した。抽出した意見の件数については以下のとおりであ

る。また、抽出した意見の概要及びその類型について示す(表10)。

・公式ホームページ掲載分4:21件 (公表時期:平成24年1月~平成29年7月)

・機関誌掲載分5:0件(調査対象期間中の機関紙において、システムに対する改善ニー

ズ・問題意識に関する意見は見受けられなかった。)

4

日本弁理士会の活動>意見・声明 日本弁理士会HP(http://www.jpaa.or.jp/opinion/)[最終アクセス日:2017年

11月24日]

5

(43)

表10 日本弁理士会が公表したシステムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 移転登録申請後のリアルタイム閲覧対応 情報・データ提供

2 特許庁が保持する手続データの提供(出願人によるデータバ

ックアップ負担の軽減)

情報・データ提供

3 情報提供サービスの継続的な提供(IPDL廃止時の対応) 情報・データ提供

4 情報提供サービスの継続的な提供(保守期間中のアクセス不

可回避)

情報・データ提供

5 審判の審理資料の参照対応 情報・データ提供

6 審決取消しや原簿閉鎖となった特許情報の継続的な提供外国

語特許文献の的確な翻訳及びタイムリーな提供

情報・データ提供

7 情報閲覧サービスの一元化 情報・データ提供

8 審査書類情報、経過情報の迅速な提供 情報・データ提供

9 過去の包袋情報の電子的提供 情報・データ提供

10 意匠、商標の審査経過書類の照会方法拡充(案件番号からの

照会)

ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー ス

11 意匠検索での提供情報拡充及び検索方法の多様化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

12 商標検索での提供情報拡充及び検索方法の多様化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

13 オンライン発送書類取得方法の柔軟性向上 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

14 国際出願時に使用するインターフェースの共通化、一本化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

15 webブラウザベースによる出願手続の実施 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

16 特許、実用新案出願時におけるカラー図面への対応 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

17 意匠図面の作図エリア拡大 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

18 国際出願手数料納付方法の多様化 納付方法

19 登録証等のオンライン通知化 オンライン対象範囲拡大

20 登録後の表示変更申請、移転登録申請のオンライン化 オンライン対象範囲拡大

21 当事者系審判のオンライン化 オンライン対象範囲拡大

(ⅱ)一般社団法人日本知的財産協会

公式ホームページ及び機関誌に掲載された意見・提言から、システムに対する改善ニー

ズ・問題意識に関する意見を抽出した。抽出した意見の件数については以下の通りである。

また、抽出した意見の概要及びその類型について示す(表11)。

・公式ホームページ掲載6:14件 (公表時期:平成24年1月~平成29年7月) ・機関誌7:2件(公表時期:平成27年11月、平成28年11月)

6

情報発信>提言・意見 一般社団法人 日本知的財産協会HP

(http://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/teigen_iken/12teigen_iken.html)[最終アクセス日:2017年11月24日]

7

機関紙>「知財管理」誌概要 一般社団法人 日本知的財産協会HP

(44)

- 10 -

表11 一般社団法人日本知的財産協会が公表したシステムに対する改善ニーズ・問題意識に

関する意見

項番 システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要 類型

1 権限管理の多様化(申請可能権限、参照のみ権限) 権限管理

2 特許庁専用電子証明書の導入 電子証明書

3 特許庁からの提供機能に関する APIインターフェース仕様書

及び提供スケジュールの早期提示

システム連携(API提供)

4 リアルタイムでの情報提供 情報・データ提供

5 過去の包袋情報の電子的提供 情報・データ提供

6 過去書類の提供範囲拡充 情報・データ提供

7 出願人が必要な情報(応答期限など)を XML 情報で提供する

ことによる管理負担の軽減

情報・データ提供

8 インタラクティブ申請実現時における、作成願書の外部ファ

イル保存対応

ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー ス

9 インタラクティブ申請実現時におけるオンライン/オフライ

ン書類作成機能の併存

ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー ス

10 複数の申請書を一括で処理可能なインターフェースの実現 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

11 手続件数や習熟度に応じたユーザーインターフェースの提供 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

12 公報検索時の検索条件多様化対応 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

13 特定事件に関する情報、書類の一括取得、操作の簡便化 ユ ー ザ ー イ ン タ ー フ ェ ー

14 中間コードの拡充 書類フォーマット

15 グローバルな出願の増加に伴い、出願人が各国知財庁に散在

する出願情報を効率的かつ的確に管理できるような書類や項 目のコード化、共通化

書類フォーマット

16 特許庁保有の最新データを利用したエラーチェックの実現 エラーチェック

(ⅲ)一般社団法人発明推進協会

公式ホームページ及び機関誌の調査を行ったが、システムに対する改善ニーズ・問題意 識に関する意見は見受けられなかった。

・公式ホームページ掲載8:0件

・機関誌9 :0件(調査対象期間中の機関紙において、システムに対する改善ニーズ・問

題意識に関する意見は見受けられなかった。)

8

発明推進協会HP 公益社団法人 発明協会(http://koueki.jiii.or.jp/index.html)[最終アクセス日:2017年11月

24日]

9

「発明」誌 発明推進協会電子図書目録 一般社団法人発明推進協会

(45)

(4)抽出したパブリックコメント及び団体意見の分析

パブリックコメント及び団体意見(ホームページ、業界誌)について、類型ごとにまと めなおし、類型毎の意見の傾向を整理した。また、団体意見のうち、パブリックコメント 向け意見として掲載されている意見についてはパブリックコメントと一部重複するため、 出典欄にその旨を記載している。なお、パブリックコメント等を通じ、既に特許庁に提出 されている意見が多い。

(ⅰ)権限管理に関する意見

実施する作業レベルに応じた権限を設定可能にするなど、権限管理の多様化による使い

勝手の向上を求める意見が寄せられている(表12)。

表12 権限管理に関する意見の概要

項番 意見概要 出典 備考

1 権限管理の多様化(申請可能権限、

作成等のみ権限)

パブリックコメントa「特許庁 業務・シス

テム最適化計画(改訂版)に基づく新事務 処理システムの設計・開発に対する意見募 集結果について」

2 権限管理の多様化(申請可能権限、

作成等のみ権限)

パブリックコメントf「「特許庁業務・シ

ステム最適化計画(改定案)」に関する意 見募集(パブリックコメント)の結果につ いて」

3 権限管理の多様化(申請可能権限、

作成等のみ権限)

一般社団法人日本知的財産協会HP(パブリ

ックコメント提出意見の掲載)

(ⅱ)電子証明書に関する意見

電子証明書について、特許出願等手続専用の電子証明書を求める意見が寄せられている (表13)。

表13 電子証明書に関する意見の概要

項番 意見概要 出典 備考

1 特許庁専用電子証明書の導入 パブリックコメントf「「特許庁業務・シ

ステム最適化計画(改定案)」に関する意 見募集(パブリックコメント)の結果につ いて」

2 特許庁専用電子証明書の導入 一般社団法人日本知的財産協会HP(パブリ

表 10  日本弁理士会が公表したシステムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見  項番  システムに対する改善ニーズ・問題意識に関する意見概要  類型  1  移転登録申請後のリアルタイム閲覧対応 情報・データ提供 2  特許庁が保持する手続データの提供(出願人によるデータバ ックアップ負担の軽減)  情報・データ提供 3  情報提供サービスの継続的な提供(IPDL 廃止時の対応)  情報・データ提供  4  情報提供サービスの継続的な提供(保守期間中のアクセス不 可回避)  情報・データ提供 5  審
表 23  電子出願システムにおいて電子証明書を利用することに関する意見の詳細  項番  意見内容  出典  1  現電子証明書による本人認証ではなく、他国の ように特許庁専用の認証システムの導入をお願 いします。  パブリックコメント f 「「特許庁業務・システム最適化計画(改定案)」に関する意見募集(パブリックコメント)の結果につ いて」 2  現状のインターネット出願手続では、常に電子 証明書の認証があるため、電子証明書が失効し 再取得するまでに手続が出来ない問題が生じて います。現行の仕組みでは、空
表 24  各府省での e-Gov 利用状況 13 府省  オンライン利用件数  全手続数  厚生労働省  14,487,987  172,841,894  金融庁  1,404,360  1,499,984  経済産業省  41,981  133,644  国土交通省  22,989  571,216  環境省 143  1,878  文部科学省 89  89  総務省 0  67  (ⅱ)対象項目 各システムにおける調査項目として、以下の項目を中心に整理した。 ・電子申請の環境 ・電子証明書利用の有無
図 3  口座振替 イメージ図 18 (c)予納 予納とは、納付すべき手数料の見込額を、「予納書」に特許印紙を貼り付けて書面で特 許庁に提出しておき、手続をするたびに必要な手数料を予納残高から特許庁が引き落とす ことで納付する方法である。 詳細には、インターネット出願ソフトで最初の申請人利用登録時に予納台帳番号を取得 しておき、「予納届」を特許庁に提出すると、「予納台帳番号通知」が特許庁から送付さ れる。 その後、 特許印紙を貼り付けた予納書を特許庁に提出すると、 予納残高に加算され、 手続をするたびに必要
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